林業就労時の費用
長く辛い就職活動を経て4月から青雲の志を抱いて働き出したものの、世間の荒波というのは予想を遙に凌駕する厳しさで、目でピーナツを噛めだの肛門で蛍の光を歌えだの連日連夜24時間体制でのハラスメントにより精神が崩壊するなんつう、いわゆる五月みどり病により肉体が小松みどり化&巨大化してしまい、そのやるせない気持ちを新宿副都心の破壊で解消していたら自衛隊の戦車と戦闘機による面白半分かつ無尽蔵な爆撃を受けて咆哮と共に斃れたその瞬間、あぁこんな非情の四角いコンクリートジャングルはもうウンザリだ!今度はもっとド田舎で自然に囲まれマイナスイオンを全身に浴びながらピュアでロハスでマゾヒスティックな人生を送るンだモン!っていう気軽な感じでハローワークの求人検索に引っかかった「林業」に就職してみよっかな〜という、故郷への仕送りがSTOP中の愚か者ども、こんばんは。P班長です。
そんな貴様らにアタイが言いたいことはね、もー気軽に林業の門戸なんてシャッターを閉める棒でバンバン叩いてください!ってことヨ!
どうせすぐ辞めるんだからネ!
なんて挑発的な言動をとると、なんだよ!最初から決めつけんなよ!こう見えても根性あんぜ!16時間ぐらいぶっ続けでドラクエやったことあんぜ!世露死苦!といきがりながら雨の中そぼ濡れ小刻みに震える子猫を拾ってみたりしてイイやつアピールをもする人がいるかも知れないのでここでハッキリ言っておきます。
林業は物凄く体力というか持久力が求められますがそれ以上に最初、意外と金が要るかもですよ?
なんて言った瞬間、斜陽産業のクセにふざけんじゃねえ!と喚きながらさっき拾ったばっかりの子猫をジューサーミキサーに投入する偽善者が続出することは自明の理なんですが、個人的にこの時期結構流入してくる、長年の勘ですぐ辞めそうな感じのするヤツっていうか実際辞めるヤツの面倒をみるのはもう年齢的にも体力的に限界なので言わせてちょんまげー!
ということで以下、林業に従事してみようかな〜っていうボンクラは注目!
林業は最初、ゼロからだと意外とカネがかかる場合があります。
多く見積もれば20万円強、地下だったら200万強ペリカ相当!
では詳細を説明していきます。
まずは就業時。いい年こいて「作業服は支給されないんですか?」と臆面も無く訊いてくる私より年上の若手もいたりしますが(ずっと派遣とか警備を転々としてきた人に多い気がする)、サラリーマンにスーツやワイシャツが支給されることは普通のことか?と考えればそんなことは答えるまでもないですよね。つうか作業服も持ってないような人がいきなり林業に就いても…いやいや、出勤初日におろしたての作業服にズボンなんてやる気に満ちて初々しくて、むしろいいネ!作業服屋で着替えが大量に必要な盛夏、洗濯物が乾かない厳冬の時期を考慮して上下で4組ぐらいあれば間に合うと思います。まぁ、ヘルメットぐらいは支給されるとしても、あと軍足だのヤッケだの雨合羽だの腰袋だのの小物でだいたい服装で20万ペリカ。
そして履物。スパイク付の地下足袋とスパイク付の長靴ですが、特に長靴はホームセンターで売ってるやつより値は張るものの(2〜5倍)林業用のほうが長持ちして結局は得です。これらがあわせて10万ペリカ。
次に道具。少なくともナタ(10万)、手ノコギリ(5万)、トビ(5万)、唐鍬(10万)で30万ペリカ。ですが最初はナタだけでいいでしょう。もしかしたらナタぐらいは、古いやつだけどとりあえず使ってみろと親切な班長が貸してくれるかもしれません。
そしてメインは機械!主にチェーンソーと刈払機!就業と同時に購入する必要はないですが、ゆくゆくは揃えたいところ。これもホームセンターで売ってるやつよりも、林業用の製品をオススメします。というより林業用じゃないとすぐブッ壊れます。入門用の排気量であれば(使ってるうちに物足りなくなってるかもしれませんが、そう感じたらこの仕事に向いているかもしれません)チェーンソーは37cc前後で90万ペリカ、刈払機はシャフトがジュラルミンのもので24cc前後で50万ペリカ。あわせて140万ペリカ。
林業労働志望者予備軍のジェントルメンの中にはこの値段に、ええええ!高ぇよ!と呻きながらスクランブル交差点で歩行中に脱糞する迷惑な方がいるかもしれませんが、実はここが試金石なのです。
自前の機械を持つと、覚悟が決まります。還暦過ぎて体によさそうなので初めて野外作業しかも林業に従事とか甘なことをお考えのだらしない体型をした前期高齢者の新人に、機械を買ってすぐ辞めてたとして、購入時の10分の1ぐらいの値段でしか売れない旨を伝えると、文句とウンコを垂れて辞めることが多いというか、まず辞めます。ある程度現場で働いてみると、結構自分の機械が欲しくなってきますし、自前で買った機械は大事にするしメリットもあるのです。結句、機械だけで一ヶ月はタダ働きにはなりますが、酒精と1円パチンコを我慢して少しずつお金を貯めてください。班長からのお願いです。
それから一昨年あたりから、安全衛生則が改悪されて、チェーンソーの使用時には保護ズボンの着用が義務化されてしまい、それがまた15万ペリカぐらいすんだよ!
以上。
締めて215万ペリカとなりました!
無論、就業と同時にすぐにこれだけのペリカを準備しろということではなく、特に機械などはoi!oi!になると思いますので、最初は作業に向いてる服装を準備するぐらいでいいでしょう。また、この試算はかなりかかる場合ですので、詳しいことは就業先(あるいは就業希望先)の先輩(あるいは面接担当者)に直接訊いてみてください。
と、ここまで書いといてなんですが、私個人としてはこういったことをインターネットで調べて済まそうとする、なんとか依存症みたいなのは林業に向いてないというか、うちの班にはいらねえよ!
コミュニケーションが苦手でもいいんですが、いやむしろ無口な人も多い業界ですから会話の沈黙は気にしないでください。伐倒時とかの危険を大声やホイッスルで知らせることが出来れば充分です。
とはいえ、わからないことがあればなんでも周りの人に訊いてください。半分以上は「だいたいでいい!」とか「テキトーでいい!」という返答だとしてもです。
例えば目立ての方法をユーチューブで調べるなんつうのは最悪だと思います。
などと、話がどんどん逸れてきましたがね、閑話休題すっとヤマには70代後半の林業従事者がカクシャクとカッポ、クニキダはドッポな状況が常識であり、50歳から35年ローンを組んで家を買っても多分平気ですから、林業の門戸なんてブッ壊すぐらいの勢いでガンガンとうどんをこねるで棒でブッ叩いてくださいね!
林業界は待ってますよ!
私は別に待ってませんけど!