酒と泪と男と女と林業
来る日も来る日も下刈りです。去年より暑いような気がします。冷夏の予想はもう無かったことになってませんか?
基本的に夏の作業は熱中症とのせめぎあいです。奇跡的に雨が降れば、熱中症は免れますが、今時期雨合羽を着ると中でかく汗でかえってずぶ濡れになるので、いっそ丸腰というかノー合羽で雨に濡れたほうがましということで作業をすると、終業の頃にはどっかの国境の川を渡ってきた亡命者の集団みたくなります。
どうころんでも過酷。
そんな状況下で大量に汗をかいているのにもかかわらず、げっそりするどころかむしろ、腹が出ている人が多いのはなぜ?我が職場だけ?岡田斗司夫にきくまでもなく消費されるカロリーを摂取するカロリーが上回っているからと思われますが、炎天下では食欲が倍増するはずも無く、大変不思議な感じがします。しかし、林業労働者の帰宅後の食生活を検証すればアナタもガッテンボタンを連打したくなること必至。
ではシミュレーションスタート!
帰宅。数分後、今の時期ならとりあえずビール(正確にはその他雑酒)。
そして、大五郎。
林業界で金の単位は「円」でも「ユーロ」でもなく「ダイゴロー」です。1ダイゴローは日本円で1480円。つまり、大五郎の25度2.7L1本と等価。
今年から林業に従事している人は、初めて給料をもらった時に、驚いたことでしょう。まずは今どき現金手渡しであることに。そしてその給料袋の想像をはるかに下回る現金に。それはハローワークの求人にかかれていた待遇が「給与25万円」ではなく「給与25ダイゴロー」だったからです。
こんなんじゃやっていけねえよ!→酒でも飲まなきゃやってらんねえよ!→でも大五郎しか買えねえよ!→しかも水道水割りかよ!
この負のスパイラルに陥ってこそ、山の神はアナタを杣夫として認めるかどうか検討に入るのです。
閑話休題。
つまり、帰宅後に大五郎を飲んで飲んで飲まれて飲んで飲んで飲みつぶれて寝むったりする前に脂っこいもの(半額シールの惣菜など)をしこたま喰ったりたりするから腹が出るのです。忘れてしまいたいことがあるわけではありません。そもそもほっといても忘れることばっかりです。しかも別に夏だけではなく、日本全国酒飲み音頭の如く、一年中帰宅後に大五郎を飲んで飲んで飲まれて(以下略)。はっきり言って酒精中毒の人が多いのです。
こんな表きっと見たことあると思います。
Good-byeアルコール依存症(アルコール依存症のあらゆる情報、自助組織や催しもの、内観情報を発信)のページより
いつもこの手の表を見て思うんですが、重大な何かが抜けています。
それは「仕事中に酒を飲む」という項目。
じゃあ、オマエは仕事中に酒を飲んだことがあるのかときかれたら、ありますとも。
さすがに最近は無いんですが、20世紀にはどんな成り行きなのか、朝いきなり誰かが一升瓶を開けて、そのまま山の中で人目がないのをいいことに酒宴(つまみは弁当)。という信じられないことが、ままありました。しかも、途中で酒が無くなると、飲酒運転で崖っぷちの山道を麓の酒屋まで戻って買ってくるんですから。さらに驚いたことに、酔いつぶれてない人は午後からそのまま仕事するのです。労災が発生したら、全員クビです。山菜採りに行って、なんで山の中に一升瓶だのビールの空き缶が落ちてんだ?と思った方は今、疑問が氷解したと思います。
そんなに酒好きが集う職場なら、仕事が終わってからみんなで一杯やるのもしょっちゅうなのかと思われるかもしれませんが、そんなことは滅多にしません。なぜなら、街(=娑婆)が遠いから。だって、飲んでタクシーで帰ったらタクシー代が6ダイゴロー超える人が多数派です。
そしたらビジネスホテルに泊まったほうが安い?→いや、そんな金があったら大五郎を購入して自宅で痛飲したほうがはるかにお得
このように、酒の席より酒を痛飲する行為そのものに喜びを覚えたら、初めて山の神はアナタを杣夫として認めるのです。認められたら、免許証が発行されます。有効期限は「(肝硬変で)死ぬまで有効」ですから!
ということで、自宅から大五郎を痛飲しながらP班長がゴキゲンにお送りしました!週に2回は休肝日をネ(他人事)!
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