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2010年6月

2010年6月30日 (水)

本日の作業「梅雨植え」

サッカー日本代表は惜しかったですね。例によってリアルタイムで見たわけではないんですが。私は朝のニュースで見ました。誰かの話によると、NHKラジオの朝4時のニュースではサッカーの話題にまったく触れなかったそうで、まだ試合終わんねえのかと思ったそうです。愉快?
それはいいとして、今日はヒノキとスギの植林というか植栽を行いました。
いわゆる「植え付け」ですが、この時期に行う植え付けを特に「梅雨植え」とかいいます。
春先の植え付けシーズンを過ぎてしまうと、空気が乾燥した時期が来ますので、苗木の根っこが乾きやすくなります。すると、植えても枯れてしまう苗木の比率が高まるので、湿気が多く雨も降ったりして根っこが乾かない今の時期まで、植え付けを(大人の事情で)保留する場合があるのです。
春先との条件の違いは「暑い」こと。
まあ、この時期のどの仕事もそうなんですが、雨が降っても雨合羽を着てられないほど蒸すので、晴天と同じような装備で作業にあたる事も多いのです。夕方になると、命からがら国境の川を越えてきた亡命者みたいになりますよ、ずぶ濡れで。
そして、今日はまさに雨…。
この梅雨植えで雨というのは、さらにというかとても泥だらけになります。それに、ブヨが大量に発生して全身サテライトされまくり、肌が露出してるところは刺されまくり。泥だらけの手で思わず顔をはたいたり、耳の穴に侵入してきたのをほじくったりするので、顔も泥んこ。大量発生されると、むしろ雨よりツライ
晴れてたら蚊取り線香を焚くことで、かなり吸血昆虫問題は負担が軽減するのですが、雨。蚊取り線香は消えるし、どこでもベープとかは濡れるとダメだし。完全防水の虫除けというのを開発したら、ごく一部に需要はある気がします。というか、開発して欲しいです、ごく一部として。
それにしても、ブヨは刺されると痒いですね。少し、血も出るし。あ〜あ、ホント辛いなぁ〜。ちゃんと年金もらえんのかなぁ〜。心配で夜も眠れないといいつつ昨夜もサッカーも見ないで寝たんですがね。と、梅雨らしくジメジメした終わり方をしてみたので、読んでるアナタもどうかネガティブになってくださいね!

2010年6月28日 (月)

賭博林業黙示録

賭博汚染で激震しっぱなしの角界ですが、実は林業界も他人事ではありません。なぜなら、伝統的に、そして秘密裡に、連綿と受け継がれているギャンブルが存在するのです。本邦初公開の林業タブー。しかし、業界の健全化のために人柱となる決意は揺るぎません。このギャンブルで尊い命を落とした仲間のために…。
そのギャンブルとは「電流架線渡り」!
あ、明日の朝は早起きしなきゃいけない方はもう、読まなくていい感じです。
電流架線渡りとは、普段は集材に使われる架線ですが、これに電流を流し、そこを綱渡りの要領で渡るという命懸けのギャンブル。落下したら必ず死ぬように、架線の下にはわざわざマムシとかスズメバチの巣を集めておきます。そして、このギャンブルに参加するっつうか、やらされるのは今年入った新人のみ。そう、実は杣夫の最終試験がこの電流架線渡りなのです。これをクリアできないものは、山どころか、この世を去らねばなりません。そして、長老が愛飲する大五郎4リットルペットが勝者には贈られます。別にいらなくても贈られます。なぜなら、大五郎ばっか毎日痛飲して体をこわしてこそ、山の男。そしてこのギャンブルが行われるのはなぜか3月14日のホワイトデー。当日が日曜の場合は前日です。ギャラリーはいろいろなものを賭けます。読み終わった東スポとかヤンジャン、石にぶつけてしまい刃が1枚欠けて滅茶苦茶ブレるようになった笹刈刃、山林を愛する心など、どれもいらないものばかり。賭けに勝ったほうはこれらのものをGETできるわけですから、かえって迷惑。そこで、会場はチャレンジャーたちへの「落ちろ!」コールがこだましまくります。今まであんなに手取り足取り山仕事を教えてくれていた先輩達が夜叉と化している事実に、新人たちはまさに月の裏側を見たような衝撃を受けることになるのです。そして、その残酷な現実を乗り越えた者だけが、真のマウンテン・ガイに……。
ちょっと昨日の夜、昼寝し過ぎて寝付けなかったので「カイジ」を読んだ結果、このような不毛な記述に至りました。
林業に就いてる人のギャンブルというと、まあパチンコとか競馬とか普通ですかね。って38字で済むじゃねえかよ!

2010年6月25日 (金)

イタズラなKISS

サッカー日本代表がデンマークに快勝!日本中が寝不足!
ということは、ここ日本国外?じゃあ治外法権だから野球賭博も合法?というぐらい、サッカーにあわせて夜更かしや早起きをした人がいなかったわが職場。
でも、だいたい朝5時には起きてる人が多いので、勝った瞬間だけは結構見てた模様。その結果「ホンダっつうのがたいしたヤツ」と「次は決勝戦」という少し間違った認識というか会話が高齢の先輩たちの間で交わされていました。しかも昼ごろ
それはともかく、日本チームが勝った途端のマスコミの豹変振りはまさに手のひらを返したようですね。あんだけ「決定力不足」だの「0勝3敗」だの書きたててたくせに、いきなり「感動秘話」だの「前畑ガンバレ」だの称賛しまくり。そしてそれに乗せられてギャアギャア馬鹿騒ぎするにわかサポーター。まったくこの国の行く末はどうなるものか?
と、日刊ゲンダイ並みに今日の私が大人ぶるのにはワケがあるのです。
それは…KISSをしたから!!
KISS……それは少女をオンナに変える魔法。蛹(例えばオッサン)を蝶(あるいは変質者)にする天使のイタズラ。
KISS……それはレモンの味。そして奇天烈なペイントを顔面に施し、地獄でギターをかき鳴らす…のではなく、今日は救急救命講習という事で、消防署の方が来て人口呼吸と心臓マッサージとAEDの使い方をみんなして教わったのでした。
この講習を受けたことのある方はご存知だと思いますが、人口呼吸と心臓マッサージを練習するのに、頭部と胸部だけの不気味な人形を使用します。それをみんなして凌辱(?)するっつうか、かわるがわる人口呼吸をするのに唇を当てるからバッチイということで、アルコールを含ませた脱脂綿でいちいち口部を拭いたのです。その際、さる高齢の先輩が、
ばあちゃん、苦しかったな。今、拭いてあげっかんな
とか言ってました。
死に水じゃねえよ!
あと、消防署の方に「唇を押し付けすぎです」と注意を受けている人もいましたが、これでわが職場では万が一の事態が起きても、なんか命だけは助かりそうな雰囲気になりました。ただし、山の中にAEDがあればですが。

2010年6月24日 (木)

ハチの巣2

刈払い中に、まだ増築中のスズメバチの巣を破壊してしまいました。
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野球のボールぐらいの大きさです。
そして個室の様子↓
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幼虫がかなりでかくなってます。これが巣の上部に
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↑こんな感じではまっていました。
と、巣をもてあそんでいたら、女王バチが戻ってきました。
ヴォォォゥゥゥン
という羽音が、お昼に食べたほんやくコンニャクのおかげで、
ナニしてくれてんじゃ!オンドレェェェェッッ!
と、ドスの効いた関西弁に変換されて聞こえます。
慌てて逃げて、様子を見ながら携帯していた混合燃料をかけたら、彼方に飛び去りました。まさに、蝶のように舞い、ハチのようにハチを刺したヒット・アンド・アウェイ。遠目には単にオッサンがいちびってるとしか見えなかったと思いますが。
その時の写真?
そんなの撮ってる余裕があるわけないじゃないですか!
実は卵管が無くなってしまうため、今の時期はまだスズメバチは刺さないといわれるんですが、やっぱり逃げてしまいますね。
話を戻すと、このぐらいの状態から何層も巣を重ねて、禍々しい巨大な巣になるのでした。
ということは、そのミルフィーユ状の巣をキレイに中から取り出せば、ロシアの民芸品のマショトーリカみたいになるんじゃないか⁈
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……失敗しました。テヘヘ!

2010年6月22日 (火)

泡?

草に泡がついてます。なんでしょうか?
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泡を取りのぞくと、中には「泡虫」がいます。正式には「アワフキムシ」というらしい。
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…って小さ過ぎて全然わかんねえよ!興味のある方は、キチンとした図鑑で調べて下さい(逆ギレからの投げっ放しジャーマン)。
じゃあこれはどうでしょう。
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ミツバチ?違います。「ハナアブ」です。知ったかぶりして恥をかかないように(例・今日の私)。

2010年6月20日 (日)

ワールド・ヘッドフォン・ララバイ

日本惜しかったですね、昨日のサッカー。さすがの私も少し見ました
それはともかく、開催国の南アフリカの選手団がバスでどこかに移動する映像の中に、ヘッドフォンをしている若手選手がいたんですが、アレは何を聴いてたんでしょう?
正直、そっちのほうが気になりました
もしこれが日本人選手だったら、たとえ多少マイナーな音楽でも、タワーレコードのどこかには陳列されているだろう、ということで腑に落ちます。今ならiTuneですか。
しかし南アフリカ
南アフリカにもタワーレコードはあるんでしょうか(ふと、昔ですが上海に行ってきた知人が上海にもコンビニがあったと言ったので、じゃあ上海にもおでん売ってるのか?ときいたら無視された、あの恥辱を思い出しました)?あったとしても、売り場の商品構成が予想できません。
あの若手はバリバリの黒人でしたから、聴いていたのはギャングスタラップ?レゲエやR&B?あるいは日本でいう所の歌謡曲にあたる未知のジャンル?もしかしてAKB48みたいなアイドルがいて黒人のおっさんも、もう若い奴らの顔の区別がつかんとか嘆いてるんでしょうか(そもそも当職場では黒人の顔の区別がまったくつかない人が複数名います)。
は!!
まさか上戸彩?
綾戸智絵」を検索(介護について調べようとした)したつもりが奇跡的な間違いで「上戸彩」と入力。結果YOUTUBEで見た上戸彩の映像。人種を超えて伝わった上戸彩の魅力…。
その映像とはもちろん「3年B組金八先生」。
男装した上戸彩が放送室に篭城して共産党宣言をアジりまくった挙句、中島みゆきの「世情」をBGMに逮捕される余りに有名なあのシーンや、そのあとの金八の「彼らは腐ったミカンじゃなくて腐った人間」発言等に元気をもらった南アフリカの選手は、地元ヨハネスブルグ銀座商店街のCDと時計と眼鏡と宝石を一緒に売ってる店(エマニエル時計店)に直行、最近は近所にできたショッピングセンターに客をとられちゃうし、跡継ぎもいないから店をたたもうかと思案する高齢化した店主に頼み込んだ結果、こんな老いぼれでもまだまだやれることがあるんだなんつって気を取り直した店主が個人輸入してくれた上戸彩のCDを買ったかもしれません。
そう、南アフリカにタワーレコードは無くとも、人間交差点を行き交う暖かなスピリットはあったのです。って見たのかよ!
そうやって上戸彩のCDを購入した彼ですが、一体どれをチョイスしたのでしょう?
大口を開けた上戸彩の顔面ドアップなジャケットが余りにも有名な1stアルバム「上戸彩の宮殿」?
それとも、買ってみたら電話ができないことに激昂した上戸彩がiPadを思いっきり床に叩きつけている反体制的な写真がジャケットの「ソフトバンク・コーリング」?
それとも、黄色と黒とピンクのあえて文字だけのジャケットが印象的なパンクの里程標「ネバー・マインド・ザ・オロナミン(邦題:元気ハツラツにしやがれ)」?
別にファンじゃない私でさえ(何様だ!)どれも思わずジャケ買いしたくなる名盤揃いです。
なんつってたら実は「家出のドリッピー」聴いてたりして(あるいは短波で競輪)。
って何が言いたいんだよ!このブログ。

2010年6月18日 (金)

本日の作業「下刈り」

いよいよ全国的に入梅しましたが、その晴れ間はすでに真夏を感じさせます。
イコール凄まじく暑いということ。
そしてこの季節のメインの仕事は「下刈り」です。これはどこの林業業界もたいがいそうなんじゃないでしょうか。
「下刈り」とは植林後のスギやヒノキの苗木の周辺の雑草をだいたい7〜8年にわたって、夏場に刈り倒す作業です。「神去なあなあ日常」では大ガマを使っていましたが、わが職場では刈払機を使用します。30枚笹刈刃という専用の刈刃を丸ヤスリで研ぎながら使います(あ、写真用意すればよかった)。とにかく効率重視です。なので、誤伐が結構あります。今年初めて夏を迎える新人さんは、絶対「一本間違って切るごとに1000円給料から天引きする」みたいなことを言われたことでしょう。普通は冗談です。
それはともかく、下刈りは激烈に暑いです。
植林したばかりの山ですから、基本的にほとんど大きな木がありません。つまり、日陰が無いのです。そこに刈った後の草いきれというか、なんか雑草の茎から蒸気が出て、暑さが増幅されて、スイッチを入れたように玉の汗が噴出します。マンガとかアニメの「すごく汗をかいた服やタオルを絞ると水がジャーッと出る」っていう古典的誇大表現がマジで再現可能ですから。35度を越える猛暑日ともなると、せいぜい30分も作業ができません。少ない日陰にハダカで身を寄せ合うさまは、あたかも天変地異になすすべも無く怯える原始人のようです。
そんな状況下で、もし水分を取らないと、熱中症になります。頭が痛くなったり、全身が攣って動けなくなったり、一時的に耳が聞こえなくなったり、逆にぴたっと汗が止まったり(これはもうかなりヤバイ)します。宇能鴻一郎の官能小説の若妻のように、夜になっても体の火照りが収まりません。
それを予防するために、汗をかきやすい人なら、一日に水分を最低5リットルぐらい摂取しないといけません。重さなら約5キロ。つまり、一日に5キロずつ体内の水分が入れ替わるわけですから、体重80キロの人は16日で全身の入れ替えが終了です。今どきのパチンコ屋の新台入替並みの猛スピード。デトックスとかダイエットなんてしょせんレジャーとしか思えなくなりますよ、実際。
山の中にはコンビにはおろか自販機も無いですから、基本的に水は持参することになります。え?山には清水が湧き出てるんじゃないか?そんなに都合よく清水は湧き出てませんし、世界遺産でもない限り今どきの清水は怖くて飲めません。現代の山林はどこに何が埋まってるかわかったもんじゃないですから、汚染されてる可能性が捨てきれないのです。
水分の持ち運びは、水筒だと重くてかさばるし、なにより量が間に合いません。基本はペットボトルに水を入れて凍らせて、複数本持ち歩きます。ただし意識が朦朧となると、燃料を入れたペットボトルと間違って飲んで、胃洗浄を受けるハメになりますから注意。水よりは麦茶とか、スポーツドリンクを薄めたもの(そのままだと甘すぎる)がいいでしょう。これはハチに刺された時も冷やすのに使えます。
そうです、下刈り中は、頻繁にハチにも刺されます(その対処はこの前書いたので割愛します)。ハチもイヤですが、カメムシも個人的にはイヤです。刺されるんだかなんだかわからないのですが、痛いというか熱いのです。どうやら、を噴射するらしく、皮膚が爛れてなかなか治りません。
まだなんか書き忘れてる気がするほど、かように苛烈な下刈りですが、この過酷さを乗り越えられるかどうかというのが、新人さんには最初のヤマです。というか、夏を乗り切れば、ほぼなんとかなります。睡眠不足はお肌の敵だけではなく、熱中症もテキメンに効きますから、夜更かししないで頑張ってください。ってなんで他人事なんでしょうか。ウッカリ横山光輝の三国志なんか寝る前に読み始めて、今日死ぬほど辛い思いをしたのは他ならぬ自分のくせに!

2010年6月15日 (火)

日本勝った!

サッカーワールドカップで日本がカメルーンに勝利!普段全然Jリーグとかも見ないような私でも素直に嬉しいですね。
私の職場でもNHKが朝のニュースでトップ扱いした程ですから、みんな知ってました。ちなみにリアルタイムで観た人はひとりしかいませんでした。当然私も朝のニュースで知ったクチ。しかもずっとカメルーンを「カルメーン」と言ってる人がいました。でも別に誰も訂正しません。もちろんあだ名に決まってるからでしょうか。それとも単に他人の話を聞き流してる人が多いんでしょうか?
あと、(試合の映像になると)テレビからアブの羽音みたいなのがずっと聞こえるんだが、アフリカはやっぱり土◯の国だから(以下自粛)?という無知と差別意識丸出しの素朴な疑問も。
きっとこれらと同じ話が今日はあちこちにアップされてることでしょう(老人介護のブログ中心に)。
最近暗いニュースばっかりなので、次も日本代表に頑張って欲しいと思います。

2010年6月12日 (土)

山の中のペットボトル(完結編)

だからハチっすよ、ハチ!

くまのプーさんがハチミツをとろうとして逆にハチに追いかけられてるシーンを目にしたことはないでしょうか?アシナガバチの巣は、あの半球型のハチの巣とそっくりな形状をしています。アシナガバチとなると、ハチミツはないわけですから、プーさんは刺され損。巣穴が無いので半円状の切り口に(昆虫も眠るのかどうかは知りませんが)びっしりぶら下がって寝ています。そんないかにも安普請なアシナガバチの巣に対して、スズメバチの巣はいかにも「要塞」といった趣です。
って、オマエはファーブルか!ロン先生の虫眼鏡か!ハチの生態を詳しく記述してもしょうがないんです。問題なのは刺された時ですから(誰に言ってんだ?)。

ではいよいよ本題。

まずハチに刺されるというのはどんな感じなのでしょう?
アシナガバチに刺されると、字義通り「針」しかも熱した裁縫針を思いっ切り突き立てられたような痛みがあります。これがスズメバチになると、裁縫針が五寸釘にグレードアップすると思ってください。
もう冗談じゃないですよ、実際
どんなにやる気満々で仕事をしていても、ハチに刺されると一気に母親の胎内に帰りたくなるほどテンションが下がります。巣に気づけば回避は可能ですが、だいたい刺されて初めて巣があることに気づくものです。特にアシナガバチは。
で、刺されたらどうすればいいのか?(ここからは、ハチに刺される危険性のある人以外は、非常に退屈な話なので、注意してください)
まず、アシナガバチに刺されたら?傷口をナイフで切り裂き急いで口で吸うのではなく、患部を冷やしたり吉草酸なんたらかんたらという物質を含有した軟膏を塗って様子を見ます。それで腫れや痛みが治まってしまう人もいれば、空気でも注入したかと思えるほど腫れる人もいます。そこは個人差。そしてもし20〜30分ぐらいでじんましんがでたら、それはアナフィラキシーというショック症状なので病院に行かなくてはなりません。アナフィラキシーとはアレルギーというか、花粉症の仲間というか、一回発症で一生発症(ラップ調)ですから、次回からは刺されたら必ず速やかに病院に行くハメになります。
んでスズメバチに刺されたら、私のところではとりあえず病院に行くことになってます。なぜなら、アシナガバチに比べて毒性がかなり高いから。でもよく言われるように2回目に刺されたら死ぬということはありません。もしそれが本当なら、林業に従事している人口が今の半分以下に減っているはずです。正確にというか体感的には、スズメバチに2回刺されるとアシナガバチよりはアナフィラキシーが出やすいような気がしないでもない。が、アナフィラキシーの程度が桁違い、というのが本当ではないでしょうか。
とにかく、スズメバチに刺されたら、初めてでも病院に行くのが無難なのです。

ハチに刺されて病院(というか診療所)に行った場合、まず受付でハチに刺された旨を伝えます。すると優先的に処置してもらえます。現場から汗でぐしょぐしょの患者がヨタヨタやってくると、順番待ちをしている老人も寛容な心で順番を譲ってくれます。
次に、一番大事なことを受付に伝えます。
「あ、△△林業の者なんですが、今回は(本当は今回も保険証を使わないでやってください」
そう、別に無保険でもないのに保険証が使えないのです。
どういうことでしょう?
その理由は「労働災害」、いわゆる労災です。
労災を起こした場合、最悪、公共工事の指名停止処分などのキツイ状況になったり、最低でも事業所が払う保険料が上がったりします。何らかの監査のようなものが抜き打ち的に入ってしまって、就業時間内に保険証を使って外科的な処置をしてもらったのが発覚した場合、「労災隠し」と当局に見做されてしまうことがあるんだそうです。労災隠しは、当局(というか労働基準監督署)の心証を悪くし、ペナルティも上積みされてしまいます。
よって命に別状がないケガ(俗に赤チン労災といいます)は保険証を使わないで治療してもらうことがほとんどになります。治療費を全額事業所で立て替えても、最終的なコストが安く上がるというわけです。
それにしても保険証を使わないなんて、受付ですんなり受け入れられるんでしょうか?逃亡中の指名手配犯と思われないんでしょうか?
大丈夫です。
たいがいは事業所と昵懇にしている「指定医」のところに行きますから。
「はい、わかりましたぁ」
待合室に「労災隠しは犯罪です」なんてポスターが貼ってあっても、受付の(元)お姉さんはチーズバーガーでも頼まれたような笑顔(¥0)で了解してくれます。「はいはい、また来た」という感じで。実は前出の軟膏も普通の薬局では売ってないので、この指定医に処方箋をナントカしてもらって大量に購入したりします。
そして、点滴をして、アナフィラキシー対策の抗生物質(?)の錠剤を処方されて診察は終了です。今後、夏の間はその錠剤を常時携帯することになります。で、また刺されたらすぐさまそのクスリを服用して病院に足を運ぶことになります。
このように対処さえしっかりすれば、ハチに刺されて死ぬことは滅多にないはずです。

いかがだったでしょうか。
明日は映画で初デート。ロハスピープルの彼女にあわせて「みつばちハッチ」を鑑賞予定。そんな貴殿が映画を見た後、彼女に披露するにふさわしいウンチクだったと(独善的に)自負します。っつうか、今年初めて山で夏を迎える新人さん、安心しましたか?

2010年6月11日 (金)

ワールドカップ開幕

ちょっとハチの話は脇に置いといて。
サッカーの祭典、ワールドカップがまもなく開幕ですね。
前回までと比べると、いまひとつ日本国内の盛り上がりに欠けるとはいわれますが、今日は学校や職場、あるいは家庭でもワールドカップの話題で盛り上がったのではないでしょうか。
無論、わが班でもワールドカップの話になりました。
「ワールドカップっていつから?
「アフリカって雪降んのか?
という、すっとぼけるにも程がある発言を皮切りに
「日本でやったのはいつ?」
「そのとき初出場?」
と、話が逆流していく一方。
そのくせ
「オシムって前の監督は脳梗塞で倒れて順天堂大学に入院した」
なんていう病気の話題はなぜか病院まで知っていたりします。
そもそもここの職場の人たち(私も含めて)、ワールドカップを見る気はあるんでしょうか?
「そんな夜中まで起きてられるわけねえだろ」
「テレビなんか録画してまで見るもんじゃねえ(録画方法がわからない)」
と、全然、見る気がありません(私も含めて)。
結局、日本代表メンバーの名前が一人も出ないどころか
釜本がいた時の日本が一番強かった
という、プロレスファンが「全盛期の馬場が一番強い」と語るような非常に詮無い結論に達したのでした。
しかもその後「北京オリンピックって去年?」という(いつもの)流れから「前畑ガンバレ」の話に発展(さすがにリアルタイム体験者は無し)。本日国内で交わされたサッカー談義の中でもワースト3に入る程度の低さ。つうか戦略の「せ」の字も出ないサッカー談義なんて単なるたわごとという気もしますが。
とりあえず前畑サムライブルー頑張れ!

2010年6月10日 (木)

山の中のペットボトル(解答編)

昨日はホラ話で終わってしまったので、今日は早速本題に入ります。
あのペットボトルは一体何なのでしょう?
答えは「スズメバチを捕るための装置」です。
あの中には、酒・酢・砂糖を適量撹拌した液体が入っています。そしてこのように
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ペットボトルの真ん中あたりに不可逆性の穴が開けられていて、中に入ったスズメバチが出られないようになっています。ちょうど今の時期、スズメバチが巣を作るので、女王蜂を捕らえるのが目的というわけです。
言うまでもなく、スズメバチに刺されると非常に危険(最悪死ぬ)なので、それを少しでも回避するためにこのようなものをつくるわけです。
ただ、一般的にはスズメバチというか、ハチに対する誤解が多いと思います。例えば「スズメバチに2回刺されると死ぬ」とか。
本当はどうなんでしょう?
実際、山にはいろんなハチがいます。その中で、攻撃性が強くて人を刺すのは「アシナガバチ」と「スズメバチ」のふたつだと思って大丈夫です(本当はこの2種類も更に細分化されますが)。それ以外のクマバチとかミツバチは、よほどこちらから手を出さない限り刺されません。
「よほどのこと」とは例えば、昼寝をしていて顔になんかハエがたかったと思って手でつかんだら、実はミツバチでチクリ。このぐらい。ムヒでも塗っておけばまず平気です。
こういうと、ハチにも草食系と肉食系があるように思えますが、肉食はアシナガバチのみです。彼らは蜜とか吸わないために、甘いニオイのペットボトルに吸い寄せられないのです。よって巣からもハチミツがとれません。事典とかで調べたわけではないのですが、長老がそう言ってたから多分そうです。
まったくふざけてないにもかかわらず、まだまだ話が続くので今日はここまでにしたいと思います。たかがハチの話がこんなにふくらむとは…。
さらにつづく

2010年6月 9日 (水)

山の中のペットボトル

山の中でこんなふうにペットボトルがぶら下がっているのを見たことないでしょうか?(普通はないと思いますが)
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これはいったいなんだと思いますか?
猫よけのペットボトル?
う〜ん、惜しい!実はこのペットボトルには、私の地元では次のような言い伝えがあります。

昔、この地域にあった村の外れに、無愛想だけど、本当はとても心優しい男が住んでいました。男の名は五作。五作は早くに両親を亡くして一人で炭焼きをしながら暮らしていました。五作は幼いころにできた左の頬にあるやけどの痕を気にしていました。そのせいもあってか人と話すのが苦手で、また怒ったような顔をしているのため誤解されやすく、孤独をこじらせたように、ひとりぼっちでした。
そんなある日、村の衆がしかけたウサギの罠に、がかかっていました。それを見た五作は「おお、かわいそうに、痛かろうに。今外してやるからな」と、猫を助けてあげました。罠を外してあげると猫は、まるで五作に礼でも言うかのように、一回だけ振り返ってどこかへ行ってしまいました。
その夜のことです。晩秋の寒さに、五作の家の戸を叩くものがあります。誰だろうと思って五作が戸を開けると、そこには猫耳の上戸彩がバカ丸出しというかギャル丸出しな格好をして立っていました。余りのことに声が出ない五作に上戸彩は言いました。「あたし、今日から五作っちのお嫁さんになるんだにゃ〜!って超ウケんだけど!よろぴく!(*^▽^*)ノシ」この寒空にこんな頭の弱った上戸彩を放り出すのは忍びなく(別にファンでもないのに)五作は娘を家に招き入れました。
こうして、かなり一方的に猫耳の娘は五作の嫁となったのでした。しかし、破廉恥な外見とは裏腹に、娘は五作によく尽くしました。朝は五作より早起きして朝餉の仕度をしてくれましたし、夜も遅くまで夜なべをしていました。五作は、生まれて初めて安らぎというものを知ったのです。
ですが、娘のしゃべりかたがムカつく以外にもひとつだけ気になることがありました。娘は「ねえねえ五作っちぃ〜、あたしが昼間出かけるのだけわぁ、ぜ〜ったい!付いてきちゃだめなんだにゃ〜!(#゜Д゜)」と言って、毎日どこかに出かけるのです。だんだん娘に情が移ってきた五作は、昼間彼女がどこに行くのか気になって仕方がありません。
ある日、我慢しきれなくなった五作はとうとう娘の後をストーキングすることにしました。
いったい、あの娘は俺の知らない昼に何をしているんだろう?
すると驚いたことに娘は毎日、五作の免許証であちこちのサラ金から金を借りて、パチンコ屋に通っていたのでした。そう、娘はパチンコ依存症だったのです!どうりで、昼間に不審な電話がかかってくるわけです。
あわてて家に帰って貯金通帳を見ると、すでに残高がないどころか、借り入れを示すマイナスの文字が…。これにはさすがに温厚な五作もキレました。困った五作は、あることを思い出しました。
「あたし子供ん時にぃ〜、外でガーって遊んでたらバリ喉乾いちゃって、公園のベンチにに置いてあったペットボトルのお茶飲んだの〜!そしたらぁ〜!中に入ってたのお茶じゃなくて、誰かのおしっこだったのぉ〜!Σ(ToT)んも〜ゲロ吐きまくり!マジヤバくね?それ以来、あたしペットボトルが苦手なんだにゃ〜!」
そうだ、家の軒先に小便を入れたペットボトルをぶら下げておこう
五作がその通りにすると、娘は二度と五作の家に帰ってくることはなかったのです。ちなみに冒頭で五作が助けた猫と娘は一切関係なかったそうです。めでたしめでたし。


この悲しい故事にちなんで、八十八夜が近づく今頃になると、私の住む地域ではペットボトルに尿を入れて……と軽い気持ちで虚偽の記載を始めたら、予想以上に筆が滑ってしまい本題に移れませんでした。それにしても、こんな愚にもつかないデッチ上げをここまで読んでしまったあなたは大変辛抱強いと思います。履歴書の長所欄にも書いていいと思います。
ということで、すみませんがこの続きは次回ということで……。
つづく

2010年6月 7日 (月)

小ネタ

三輪咲きの二輪草。
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五輪とか六輪咲きぐらいまであるらしい。

2010年6月 4日 (金)

菅新総理誕生!

菅直人総理大臣が誕生しました。
菅さんといえば、現在日本各地で進行している林業の集約化とか「森林・林業再生プラン(仮称)」をブチ上げた人ですから、きっと予算がいっぱい流れ込んでくると皮算用する天下り団体の人には現在の廃れまくってる林業にはいいことがあるのではと期待する杣夫のみなさんも多いことでしょう。
それにしても「森林・林業再生プラン(仮称)」とはいかなるプランなのでしょう?
調べればいいことですが、面倒くさいので予想してみます。
まずは生産性の向上を掲げて、大幅な機械化が進められると思われます。
ゆくゆくは工業ならぬ林業ロボットが導入されるのも必至でしょう。
動力に、地球に優しい超小型バイオマス燃料炉を内蔵した二足歩行ロボット。空を飛ぶのは勿論(松喰い虫用の農薬の空中散布等に活躍)、60ヶ国語を操るので山の中に誰かが不法投棄したいやらしい映像が収録された外国製のDVDも、無意味なまでに忠実に翻訳してくれるのです(ボディーにブルーレイ対応DVDプレーヤーを内蔵、さらにサーチライトになる目が100インチプロジェクターも兼ねる)。そして、10万馬力のパワーで、木材の搬出も楽々。現場の人間達はブックオフで買ってきた、超日焼けして表紙の色が薄まって本体は黄ばんでるスラムダンク全31巻をまわし読みしてればいいのです。
当然、妹ロボも開発されるでしょう。兄と同じオイルを使ったネコ型ロボットですが、兄よりしっかり者。兄がメンテナンスでいない間は、4次元につながるポケットからさまざまな道具を出して、無能でのろまな0点ばっかりの現場を助けてくれます。飲みたくなったらお酒、眠たくなったらベッドと、次から次へと4次元ポケットから差し出すので、人々はやがて労働することを忘れて、エホバの証人で配る小冊子の珍妙なイラストのような堕落した世界がやってきます。その結果、人類は破滅、その後はロボットが跋扈するネオ地球政府が誕生。そう、実はこれこそがロボット達の人間への復讐だったのです。しかし、人類は密かに地下に生き残っていた!そのわずかな数となった人類は、ロボット達が作った世界を「マトリックス」と呼び(以下大幅に省略
……ちょっと今回はふざけすぎました。
菅さんがんばれ!(棒読みで

2010年6月 2日 (水)

思い出(す)話

休憩時間というかちょっと一服というとき、山に生きる男達はどんな話をするんでしょうか?
昔、クマと素手で闘った武勇伝?地球に優しいECOなライフスタイル論?それとも、コンビニで鬼ごろしパックと一緒に買った290円のエロ本に付いてたDVDへの落胆?
基本的に中高年の多い職場ですので、どうしても会話の中に「思い出話」の占める比重が高くなります。
なぜなら「未来の話」はどうしても暗くなりがちです。年金問題(既に受給者の場合も)やら、病気の話、介護(親ではなく自分の心配をする人も)の不安等々……。
そういうことで、昔の仕事の話とかになるんですが、最近気づいたことがあります。思い出話というよりも、思い出す過程の話がほとんどなのです。
例えばどういうことかというと
「あれ?ここの山の植え付けっていつだったっけ?」
「ほら、国道の真上の○○山で地拵えした時に、丸太が転がって下の家の屋根に直撃した時と同じじゃねえか?」
「いや違うって。誰それがウサギのこどもを捕まえた時だからその前だって」
「あのウサギってどうしたんだっけ?持って帰った?」
忘れた
という感じで、話もどんどんそれていって結局思い出せないうちに休憩時間は終わってしまったり。
ところで今日、鳩山総理が辞意を表明したのを、帰りの車でラジオを聴くまで誰も知りませんでした。まるで竹中直人(かスネークマンショー)の山の男の歌そのもの。さすがに明日はこの話題でもちきりかもしれませんが、
「あれ?鳩山の前の総理大臣て誰だっけ?」
とか誰かが始まったりして……。

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